皆さんもご覧になっただろうか。元ジャニーズでKAT-TUNのメンバーだった田口淳之介氏の土下座を。

誠に残念極まりないことではあるが、彼は禁じられた薬物に手を出し、警察に逮捕された。

これは当然の報いである。

決められたルールを守ること。それは人として当然なのである。



そしてもう一つ、人間として当たり前のことがある。

謝罪である。

人は誰かに迷惑をかけた場合、心から謝罪をしなくてはならないのである。

一度やってしまったミスのほとんどは、もう取り返しがつかないことが大半であるが、ミスをしたあとの関係者との人間関係を円滑に進めるためにも、謝罪というものは不可欠だと思う。

田口氏のように犯罪に手を染めた芸能人が、釈放後、報道陣に対して謝罪している場面を見ることがしばしばある。

彼らが一体、だれに対して謝っているのかという問題はさておき、謝ること自体は「自分のミスがミスであることを言葉にして認識し、次に同じミスをしないために己の心に深い楔を打ち込む」という側面もあると考えているので、無意味な行為と断じてしまうことはできない。しかし、今回の謝罪、少し驚いた。


□土下座をする必要があったのか

dogeza


そもそも「土下座」とは何なのだろうか。もちろん「土下座」という行為は理解できる。両膝を地面につき、首を垂れ、おでこを地面に擦り付けるかのようにして謝罪するのである。生物の最大の弱点である頭を、最も無防備な状態にして相手に差し出す行為。ニアリーイコール、命を預けることとも言えるのではないだろうか。

そう、行為自体は分かった。では、それが意味するところは何なのだろうか。




「土下座なんて意味ねぇし」という意見もあろう。確かに、身体を傷つけたり、金品の授受が行われているわけではない。ただの「ポーズ」に過ぎない、という見方もある。

一方で近年、コンビニの店員に対して土下座を強要するなどの行為が話題になったことがある。コンビニ店員に土下座をさせて、その様子をツイッター等のSNSで発信するというものだ。




コンビニだけでなく、しまむらでも同様の事案が起こっている。

札幌・東署は7日、札幌市の衣料品店で購入した商品が不良品だと訴えて従業員に土下座をさせた上、自宅に来て謝罪するよう約束させたとして、強要の疑いで札幌市白石区菊水元町10条、介護職員青木万利子容疑者(43)を逮捕した。土下座する様子を携帯電話のカメラで撮影していたという。東署によると、土下座の画像は短文投稿サイト「ツイッター」に投稿され、インターネット上で話題になっていた。

(MSN産経ニュース「謝罪強要の疑いで43歳女を逮捕 店員に土下座させネットに投稿」より 2013/10/07 12:58)

特筆すべきは「逮捕」されている点だ。謝罪をさせた、のではなく「土下座」をさせると逮捕されるのである。強要罪という犯罪になるようだ。

法的には、通常の謝罪と土下座の間には、大きな違いがあることが示されていた。



ただ、結局のところ田口氏が土下座をする必要があったか否かについてまでは釈然としない。土下座が通常の謝罪とは法的に見て異なるものだということを私に知らしめるきっかけとなった、という点においては田口氏に土下座は決して「意味のない」ものではなかったと言えよう。

最後にはなるが、田口氏の謝罪は、まるで仕事をミスした時の私自身を見ているかのようだった。

やたらと演技っぽい大げさな謝罪。



なんとかその場をやり過ごそうとしている私。「そこまでやらんでもいいよ」という言葉をひたすら待つ私。哀れな私。

私も必死に生きて参りたいと思いました。

以上。