出会いはペアーズだった。


元気いっぱいメンヘラ気質あり系女子だった。よく言えば天真爛漫、か。ただ正直、30代でそのテンションはないでしょうと思った。話を聞くと、どうやら人見知りは全くしないらしい。確かに、人見知りしている様子など微塵もなかった。そのお陰か、僕もわりかし楽しい時間を過ごすことができた。


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丸の内のブリックスクエアで食事をしていたのだが、お酒も程よく飲んで、アルコールが程よく回り始めていた。翌日は土曜日だった。まだ残暑の残る長月の夜。ちょうど満月の日だった。


散歩でもしようか。


年下である僕が年上に見えただろう。僕は落ち着いた声のトーンで彼女を夜の丸の内へと誘い出した。東京駅から皇居に向かうストリートにはいくつものベンチが並んでおり、いい感じのカップルが座って語らっている。僕らもそのone of themとなった。周りから見ればただのカップルにしか見えなかっただろう。年甲斐もなくはしゃぐ彼女の隣で僕は何故か少しだけ居心地の良さを感じた。彼女を彼女にすることができたなら、毎日がきっと楽しいに違いない。でもそれはできなかった。僕には彼女がいるからだ。


不意に彼女が言った。



明日、誕生日なんだよ。


えっ?





僕は驚いた。時計を見た。23時だ。あと1時間で誕生日を迎えると言う。そんな大切な時間を僕と過ごしてくれているのか。事実が僕の胸を打つ。嬉しかった。ただシンプルに嬉しかった。彼女を彼女にすることができたなら、きっと幸せな日々を過ごしてゆけるに違いない。僕は思った。でもそれはできない。僕には彼女がいるからだ。それでもこの瞬間を楽しもう。彼女の誕生日を祝おう。そう思った。


彼女は天使のように笑った。まるで子供のよう。誕生日前日にこんなにウキウキする大人がいるだろうか。彼女の様子は実に微笑ましかった。周りのカップルはどこかドラマティックな雰囲気を醸し出している。熱いベロチューをかましているカップルもいる。男の手が女性の良からぬ所へ伸びているように見えるカップルもいる。ただ、僕らだけは違った。僕らはただただ笑いながら、語り合った。お互いのことを知ろうとした。そして時はきた。0時を過ぎた。彼女の誕生日だ。











終電はもう無かった。








以上が今回のアポのレポートである。


そして、今回の記事はこれだけでは終わりません。


ついに有料会員期間が終わってしまった。これまでペアーズを介して多くの女性と出会うことに志向してきた。しかし、もう新しい出会いを得ることはない。再び有料会員になることは現時点では考えていない。これで僕の物語はひと段落。また少し休憩をし、さらに見聞を広めたいと思えるようになったら、今度はまた別のアプリに挑戦してみたいと思う。


同じ問題集だけで難関大学に受かるか?毎日同じ筋トレだけで理想の筋肉がつくか?


新たな領域にチャレンジし、負荷をかけ、反省し、また荒波に揉まれる。


これが成長の王道。


まっすぐ、正々堂々と歩む。